2.5 診療行為
 2.5.4 診療区分別の入力方法 − (5)注射料

(1)診療種別区分
(2)入力形式
(3)自動算定
(4)入力例


(1)診療種別区分
内容 診療種別区分
通常 手技料なし 手技料変換なし 在宅訪問点滴(薬剤料)
皮下、筋肉内注射 .310 .311 .312  
静脈内注射 .320 .321    
点滴注射 .330 .331   .334
その他注射 .340
   

診療種別区分は表内の"通常"の列の区分を基本的に使用します。
"手技料なし"の区分は、薬剤料のみを算定するときに使用します。
"手技料変換なし"の区分は、液量に関係無く皮下筋肉内注射として算定する時に使用します。
“在宅訪問点滴(薬剤料)”の区分は、在宅料の在宅患者訪問点滴注射管理指導料など、訪問看護で点滴注射を行った場合に使用した薬剤を算定する場合に使用します。

 (2)入力形式

    [診療種別区分]
   ([注射手技コード]) ← 診療種別区分を入力すると自動発生します。(ただし、その他注射と手技料なしの診療種別区分は除く。)
    [注射加算コード]
      :
    [薬剤コード]△[数量]
      :
    [薬剤コード]△[数量]
    [材料コード]△[数量]
      :
    [材料コード]△[数量]*[回数]

    となります。
    数量が1の場合は省略ができます。
    回数が1の場合は省略ができます。

    
    診療種別区分は省略することもできます。
    但し、剤終了の判別は 回数の入力によるか、診療種別区分の入力により判定しますので
    場合によっては省略できないこともあります。

    診療種別区分を省略した場合、手技料は手技コ−ドで入力してください。

 (3)自動算定

    自動算定を行うのは次の項目です。

    (注意)これらの自動算定を行う診療行為を検索して手入力は行わないでください。

     また、点滴注射の注射容量に対する注射手技コードの振替は自動で行います。

     但し、点滴注射'手技料なし'の診療種別区分の入力がされているときは、注射手技コードの自動振替は行いません。

     その他の加算(精密持続点滴注射加算など)については手入力を行います。

 (4)入力例

    <例1>
       皮下、筋肉内注射をした場合

       硫酸カナマイシン注射液明治1g 1管
       注射用水5ml        1管

    皮下筋肉内注射の診療種別区分”.310”を入力します。

    ↓入力された診療種別区分より該当の注射手技料を自動発生します。

    ↓次に薬剤コードと使用量をそれぞれ入力し回数を入力する必要があれば入力をします。 使用量(数量)が1であれば入力を省略することもできます。

    <例2>
       生物学的製剤注射をした場合

       沈降破傷風トキソイド0.5ml  1瓶

    皮下筋肉内注射の診療種別区分を入力後、生物学的製剤の薬剤コードを入力します。

    ↓生物学的製剤注射加算が自動発生します。

    <例3>
       麻薬注射をした場合

       弱オピスコ注射液1ml  1管

    皮下、筋肉内注射の診療種別区分を入力後、麻薬の薬剤コードを入力します。

    ↓麻薬注射加算が自動発生します。

    <例4>
       静脈内注射をした場合

       ブドウ糖注射液20%20ml    1管
       塩酸チアミン注射液5mg     1管
       アスコルビン酸注射液100mg  1管

    ↓静脈内注射の診療種別区分”.320”を入力します。

    ↓静脈内注射の手技料コードと、例では6歳未満の乳幼児で入力を行っていますので
    静脈内注射の乳幼児加算が自動発生します。

    次に薬剤コードと使用量をそれぞれ入力し回数を入力する必要があれば入力をします。

※ 手技料の自動振り替えについて
宣言する診療種別区分により、注射手技料は以下のように取り扱われます。
診療種別区分".310"を宣言した場合・・・液量により静脈内注射へ自動振り替えをします。
診療種別区分".312"を宣言した場合・・・液量に関係無く皮下筋肉内注射を算定します。
ブドウ糖注射液20mlを例に、各診療種別区分にて入力をしてみます。
".310"のとき
ブドウ糖注射液を入力後、Enterキーを押下すると皮下筋肉内注射が静脈内注射へ変換されます。

                                     ↓

".312"のとき
液量による静脈内注射への自動変換は行いません。



※残量廃棄の自動発生について
単位に「アンプル」・「管」・「管(瓶)」が付く注射薬の使用量が各容量に満たない場合は、残量廃棄のコメントコードを自動発生します。
<例>キシロカインポリアンプ1% 5mL 0.2管を使用した場合



残量廃棄は自動発生しますが、数量の後ろに「@」マークを入力する事で自動発生しません。

残量廃棄へ変更したい場合は、「@」マークを消します。
なお、上記以外の単位の注射薬については、残量廃棄コードを手入力することにより同様の算定が行えます。

    <例5>点滴注射をした場合

       トランサミン注10%10ml   1管
       ハロスポア静注1g         1瓶
       ソリタ−T3号500ml       1瓶

    点滴注射の診療種別区分".330"を入力します。

    点滴注射の手技料コードを自動発生します。

    次に薬剤コードと使用量をそれぞれ入力します。
    例の場合、使用量はいずれも1管、或いは1瓶ですので省略しています。

    <例6>6歳未満の乳幼児に点滴注射をした場合
       「例5」と同じ内容とした場合

       点滴注射の診療種別区分".330"を入力します。

    点滴注射の手技料コードと6歳未満の乳幼児加算が自動発生します。

    次に薬剤コードと使用量をそれぞれ入力します。

    <例7>「例5」の患者が午前と午後の1日2回、点滴を行った場合の午後分の入力方法

       点滴注射の手技料なしの診療種別区分".331"を入力します。

    手技料コードの自動発生は行いません。続いて使用した薬剤を入力します。
    これにより、薬剤料のみの算定を行うことができます。

    <例8>年齢と注射容量に対して注射手技料コードを自動振替する。

       一般の場合は最初に500ml以上の注射の手技料コードを自動発生します。

    例として容量200mlのブドウ糖注射液を入力したとき、点滴手技料コードは500ml未満のコードへ自動振替をします。最終的に一点滴剤内の総注射容量から点滴手技料コードは決定します。

    6歳未満の乳幼児の場合は最初に100ml以上の点滴手技料コードを自動発生します。

    容量20mlのブドウ糖注射液を入力すると、点滴手技料コードは100ml未満のコードへ自動振替をします。

    容量20mlのブドウ糖注射液の使用量を5管とすると注射容量は100mlとなるので点滴手技料コードは再度、100ml以上のコードへ自動振替します。

    <例9>訪問看護にて、点滴注射で使用した薬剤を注射料として算定する場合

    点滴注射の在宅訪問点滴(薬剤料)の診療種別区分“.334”を入力後、使用した薬剤を入力します。

    これにより、点滴注射の薬剤料のみの算定を行うことができます。
    また、“.334”の診療種別区分で入力された薬剤料については、レセプトの摘要欄に「(訪点)」のコメントの差し込みをレセプト作成時に行います。
    以下は、レセプト摘要欄の記載例です。
         *(訪点)
          トランサミン注10% 10mL 1管
          ハロスポア静注用1g 1瓶 
          ソリタ−T3号 500mL 1瓶       138×1
    なお、同一剤に“810000001”のコメント入力があり、そのコメントに“訪”の文字がある場合には、「(訪点)」の差し込みは行わず、
    “810000001”で入力されたコメントをレセプト摘要欄に記載します

    <例10>その他の注射をした場合

       関節腔内注射
       水溶性プレドニン10mg      1管
       塩酸プロカイン注射液 1%1mL 1管

    その他注射の診療種別区分“.340”と、関節腔内注射の手技料コードを入力します。

    次に薬剤コードと使用量をそれぞれ入力し、回数を入力する必要があれば入力をします。


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